ウェイウェイさん IN 「青森」
「マネージャーは見た! いつものウェイウェイさん」
第540回 ウェイウェイさん IN 「青森」
みなさん、お元気ですか?
今回は、先週末の青森での
「昭和大仏 青龍寺 大仏開眼40周年記念コンサート 西村由紀江 with ウェイウェイ・ウー」
のご報告です。
ピアニストの西村由紀江さんとは、もう10年来のお付き合いで、「PiaNiko」のパートナーということはみなさんご存じですねよね。
コロナ前には、何度もご一緒していたのですが、今回の共演は本当に久しぶりでした。
2014年にリリースされた「宇宙戦艦ヤマト」のコンピレーション・アルバムでご一緒した時に、初めて共演し、お互いに「一目惚れ」ならぬ「一耳惚れ」をして、すぐに意気投合。
あっという間に、ユニット「PiaNiko」が誕生しました。
それ以来、ずっと懇意にしていただいています。
会場は、昭和大仏青龍寺。
その本堂で実施されました。
二胡の音色は、神社仏閣にとても良く似合います。
「聖なる響き」
人の心に届く音色は、厳かな雰囲気と調和して、いつも「特別な時間」になります。
――
当日は早朝に東京を出発して、新幹線で青森に向かいました。
新幹線で3時間と少し。
いやぁ、日本は狭くなりましたね〜〜。
ちょっと昔は、飛行機で行く距離でした。
私が高校生の頃は、「上野発の夜行列車〜♪」で翌朝到着したものですが、近くなったものです。
新青森で下車後、アテンドの方の車で青龍寺に。
西村さんのピアノとウェイウェイさんの二胡。
「一耳惚れカップル」らしく、二人の奏でる音は、すぐに調和します。
本堂での演奏は素晴らしく、二人のリハーサルは熱を帯びて、どんどん新しい景色を紡いでいきました。
今回、西村さんのご提案で、
「せっかくなので、ウェイウェイさんのソロを演奏してください」
と言われました。
ウェイウェイさんは、どの曲を弾こうか迷っていたのですが、結局
「当日、会場の雰囲気をみてから曲を決めましょう」
ということになっていました。
そして、リハーサルをやってみて、ウェイウェイさんが選んだのは、前夜が「中秋の名月」だったということもあり、
「荒城の月を弾こうと思います」
ということになりました。
リハーサルも順調に進み、しばらくして本番となりました。
――
本番は、まず、西村さんがソロで数曲演奏した後、西村さんの呼び込みで、ウェイウェイさんがステージに上がりました。
満員のお客さんの大きな拍手に迎えられて、早速演奏したのは、「スカボロー・フェア」でした。
西村さんの、女性らしい繊細さと、男らしいとさえ言える力強い演奏に、ウェイウェイさんの二胡が調和します。
いつもPiaNikoの演奏を聞くと、私は、二人が姉妹のように感じます。
しっかり者のお姉さんピアノに支えられて、自由奔放に踊る妹二胡。
仲良くじゃれあったかと思うと、突然姉妹喧嘩が始まったようなバトル。
そんな雰囲気を、お客さんたちも感じているようで、その感動が伝わってきます。
そんな、素晴らしい時間が過ぎて行く中で、事件は起こりました!(爆)
「スカボロー・フェア」の後、テレビドラマシリーズで、西村さんがご担当した「101回目のプロポーズ」から「夢を追いかけて〜薫のテーマ」と、ウェイウェイさんの「JIN」を演奏した後、いよいよ、「ウェイウェイさんのソロコーナー」になりました。
西村さんの誘導で、「では、二胡のソロをお願いします」と言われた後、ウェイウェイさんが言いました。
「昨日は中秋の名月でしたし、この本堂の素晴らしい雰囲気にぴったりの『荒城の月』を、マイクを付けないで、生音で演奏したいと思います」
大きな拍手をもらって、ウェイウェイさんは二胡のマイクを外し、生音での演奏が始まりました。
演奏が始まった瞬間、私は、隣にいた西村さんのマネージャーの腕を握って、崩れ落ちました(爆爆)。
なんと!
演奏した曲は、「月の砂漠」でした!
確かに、リハーサルの時にも、「荒城の月」にするか、「月の砂漠」にするか、はたまた、伝統曲の「燭影揺紅」にするかウェイウェイさんは迷ってはいました。
しかし、しっかりはっきり「荒城の月を演奏します」と言い切って演奏したのが、「月の砂漠」。
当然、お客さんたちもすぐに気がついてはいたのですが、みなさん優しいので、ざわつくこともなく、会場中に「?」マークがいっぱいにはなっていましたが、ウェイウェイさんは「荒城の月」という「月の砂漠」を堂々とフルコーラス弾き切りました!
盛大な拍手の中、西村さんが言いました。
「とっても素敵な演奏を、ありがとう!
でも、今演奏したのは『月の砂漠』ですよね?!」
そこで、動じないのが、さすがのウェイウェイさん。
西村さんのツッコミを聞いて、すぐに、何事もなかったかのように、一言も喋らずに、そのままさらに堂々と「荒城の月」を弾き切りました!
演奏後、会場内は盛大な拍手と微笑みで包み込まれました。
優しい西村さんが、
「みなさん、二胡ソロを2曲聞けて、得しましたね!」
それを聞いて、お客さんは大拍手!
ウェイウェイさんも、少し恥ずかしそうでしたが、嬉しそうでした。
その後も、和気あいあいと、とても温かい雰囲気の中、「愛燦燦」〜青森といえば「りんご追分」と続き、PiaNikoコーナーの締めに、「トルコ行進曲〜ハンガリー舞曲」を演奏して、西村さんに送り出されました。
その後、西村さんのソロでの演奏後、アンコールに再登場し、「賽馬」「上を向いて歩こう」を演奏してコンサートは無事に終了しました。
コンサートが始まったときは夕暮れ時でしたが、終演時はとっぷりと日が暮れて、ウェイウェイさんは、「ライトアップされている五重塔、昭和大仏、敷地全てはコンサートの舞台になっていた」と印象に残る感想で、会場を後にしました。
――
終演後、ウェイウェイさんに聞いたところ、
「まったく、なんの疑問も持たずに『荒城の月』を演奏しているつもりで『月の砂漠』を弾いていました〜〜〜!」
と、いつもの「あっっはははははは〜」と笑いながら言っていました。
ウェイウェイさんも西村さんもとても楽しかったようで、二人して
「また、PiaNikoでいろいろなところで演奏したいですね!」
と言っていました。
ぜひ実現させたいと思いますので、決まった際には、二人のコラボをぜひ見に来てくださいね!!
(2023.10.4)
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